「管理のための管理」に疲れたすべてのプレイングマネージャーへ。pitboard開発者が語る“理想のタスク管理”

タスク管理ツールを開くたびに、「本当にこれが効率的なのだろうか」と感じたことはありませんか?
日々変わる要件や優先度に振り回され、ツールの更新ばかりが仕事になってしまう——。
pitboard(ピットボード)は、そんな“管理のための管理”に悩んだ一人のプレイングマネージャーが、自身の現場から生み出したタスク管理ツールです。
今回は、その開発者に「なぜ新しいツールを作ったのか」「どんな思想があるのか」を伺いました。
計画変更が前提の現場で、「ツール更新がつらい」日々
―まず、pitboardを開発されたきっかけを教えてください。
自社プロダクトの開発・運営チームでマネジメントをしているのですが、常に感じていたのが「計画変更のたびにタスク管理ツールを更新するのがつらい」という悩みでした。
Backlog、Trello、Asanaなど、有名ツールは一通り使いましたが、どれも合わなかった。
「ないなら自分で作ろう」と思ったのが始まりです。
―現場では、計画通りに進まないことが多いですよね。
本当にそうです。
差し込みの調査依頼、不具合対応、仕様変更…。
私たちのチームでは「期日厳守より柔軟な対応」を重視しているため、予定が変わるのは日常茶飯事です。
ビジネスサイドの人も実際に触ることで新しいアイデアを思いつくことがあり、それを取り入れる文化があります。
しかしそのたびにガントチャートを修正するのは、正直しんどかったですね。
日付管理ではなく「ボリューム」で可視化するという発想
―課題の本質はどこにあったのでしょう?
タスクを“日付”で管理していることが問題でした。
ガントチャートのように日付を前提にしてしまうと、変更のたびにメンテナンスが発生します。
最近のツールはドラッグ操作で一括変更できるようになっていますが、私にとってはその作業自体がストレスでした。
開発にも関わる立場なので、管理作業に時間を取られたくなかったんです。
―それでも、一定のマネジメントルールは必要ですよね。
もちろんです。
私は「タスク期日の明確化」にもこだわっていました。
ただし目的は「期日を守らせること」ではなく、「タスクのボリューム(工数)を明示すること」。
経験の浅いメンバーにとって、“この作業は3日分くらい”という目安は重要ですし、ビジネスサイドとスケジュール感を共有する上でも有効です。
「パーキンソンの法則」とマネジメントの矛盾
―“ボリュームの見える化”と同時に、余裕を持たせない工夫もされたとか。
はい。私はタスクにバッファ(余裕期間)を持たせないようにしていました。
理由は「パーキンソンの法則」です。
時間に余裕があると、人はその時間を無意識に使い切ってしまう。
本来もっと早く終わるはずの作業でも、期日いっぱいまでかかってしまうんです。
だから、なるべくシンプルに、必要な分だけの時間で回すように意識していました。
ただ、その結果として「変更が入るとすぐ破綻する計画」になってしまうというジレンマも抱えていました。
「日付管理」から「ボリューム管理」へ。pitboardの発想転換
―そこで、“日付ではなくボリュームで管理する”という考えに?
そうです。
計画に日付を設定している限り、どうしても柔軟性がなくなります。
そこで気づいたのが、「私が欲しいのは期日ではなく、タスクのサイズ感を共有できる仕組みだ」ということでした。
“このタスクは2日分”、“この作業は1週間分”といった情報さえ共有できれば十分なんです。
日付を設定せずとも、ボリュームと優先順位で全体像を把握できるようにしたかった。
既存ツールにはなかった「ボリューム管理」という視点
―この発想を実現できるツールは見つかりましたか?
探しましたが、ありませんでした。
あえてガントチャートを提供していないツールを条件に探すと、候補はBasecampやTrelloくらいに絞られます。
Trelloのシンプルなカンバン方式は理想に近かったですが、“タスクをボリュームで管理する”機能は存在しなかった。
そこで、「無いなら自分で作るしかない」と決めたんです。
半年をかけて作り込んだ「チームが使える個人開発ツール」
―個人開発とはいえ、チームで使う以上は品質も求められますね。
その通りです。
「まずはMVPを出す」という定石もありますが、私は中途半端なものをチームに持ち込みたくなかった。
実際に導入できるレベルに仕上げるまでに、約半年かかりました。
シンプルさを保ちつつ、使いやすさを追求することにとことん時間をかけました。
チーム導入で実感した「変化のしやすさ」と「一体感」
―導入後の反応はいかがでしたか?
2025年6月からエンジニア4名で試験導入を始め、現在はビジネスサイドのメンバーも含めた8名体制で運用しています。
最初は「有名ツールのほうが良い」と言われるのではと不安でしたが、実際にはチームに自然と馴染みました。
そして何より、「計画変更のつらさ」が劇的に減ったんです。
タスクの見える化が進み、チーム全体の一体感も強まりました。
pitboardは“思想”から生まれたツール
―最後に、pitboardを通して伝えたいメッセージをお願いします。
pitboardは「新しいツールを作りたい」から始まったわけではありません。
自分のマネジメント哲学を形にしたかったんです。
現場で開発と管理を両立するプレイングマネージャーの方々にこそ、pitboardを試してもらいたい。
日付ではなくボリュームで管理し、変化を前提にチームを進化させる——。
そんな新しいタスク管理の形を、これからも磨いていきたいと思っています。
編集後記:pitboardが示す“柔軟なマネジメント”の新しい形
「期日を守ること」より、「変化に強いこと」。
pitboardは、現場の声とマネジメントの理想の間にある“リアルな悩み”から生まれたツールです。
プレイングマネージャーという立場の人ほど、この思想に共感するはず。
タスク管理の“形”ではなく、“意味”を見直したい人に、ぜひ触ってほしいプロダクトです。



